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番外編 私を信じて
「風邪ひくぞ」
額に優しいキスが触れて。
はっとして顔を上げると心配そうな眼差しで見つめる彼と目があった。
「ナオのことを考えていたのか?」
うん、コクりと頷いた。
「いつか必ず話してくれるよ」
「遥琉さんは知ってたの?」
「まぁ、何となくだけど。福光礼の名前が出てきて確信した」
「僕はどうしたらいい?」
「ママ友としてそばで支えてやればいい。信孝も俺に負けないくらいの焼きもち妬きだ。信孝に妬かれない程度に付き合えばいいんじゃないのか?」
「うん、分かった」
体をよいしょっと少しずらし、彼が寝るスペースを開けた。
「ごめんね。真ん中で寝てて」
「別に気にしてない。空いたところで寝ればいいだけだし」
彼が隣に潜り込んできた。
「みんなが考えてくれたベビハルの名前の候補がメールでさっき送られてきた。一太と遥香の意見を聞いてから決めよう」
うん、大きく頷いた。
「じゃあ、おやすみのキス、一回だけていいからしたい。ダメか?」
「え?あの」
ダメって言ったらかなり落ち込むよね?
一回だけの約束をしても、いっつも暴走して、そのたんび橘さんに怒られて。
子どもたちは隣に敷いた布団で四人仲良く雑魚寝している。
僕、どうしたらいいの?
訪ねようとして開きかけた唇をそのまま彼の唇に奪われた。
「…………っ」
柔らかくて熱い。触れているところからじん、と痺れてくる。
トクントクンと鼓動は速くなるばかりだ。
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