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番外編 私を信じて
そのあと子どもたちが起きてくるまで30分くらいかな?
「いつもはなかなか起きないのに休みだと何故か早起きなんだうちの子たち」
「うちもそうだよ。どこも一緒だね」
ナオさん……ううん、ナオだ。呼び捨てにしてって言われたんだっけ。慣れるまでちょっと時間が掛かるかも知れない。
そんな他愛もない会話からはじまり、いろんな話しをする事が出来た。
「ごめんなさい遥琉さん。僕、未知のこと泣かせてしまいました」
「別に気にしていない。未知はそんなに柔じゃないから。ナオ、思い出すのも辛い話しを話してくれてありがとう」
「ううん。未知は初めてできたママ友だから……だからこそ……ごめんなさい」
ナオさんの目から一筋の涙が零れた。
「隠さずにちゃんと、ありのままに伝えたかったんだ」
ナオさんは涙を手の甲で拭いながらも気丈にも笑顔を見せてくれた。
「たく泣き過ぎだ。泣くのは俺の腕の中だけにしろ。泣き顔を見たらもっと泣かせたくなる」
「もう遥琉さんたら」
「冗談だよ」
ため息をつきながらもタオルで涙を拭いてくれた。
「ナオ、朝ごはんにしようか?」
頃合いを見計らい今度は信孝さんが台所に顔を出した。
「あぁ‼ごはんで思い出した。炊飯器のタイマー、セットするのすっかり忘れてた。急いで炊くから待ってて」
ナオさんが慌ててキッチンに向かった。
「未知、これからもずっとナオのママ友でいてほしい」
信孝さんに頭を下げられたからびっくりした。
「信孝さん頭をあげてください。僕の方こそ、ナオさんと出会えて本当に良かったです。大切なママ友とめぐり会わせてもらい感謝してます」
僕も慌てて頭を下げた。
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