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番外編 私を信じて

「私を信じて・・・・と言っても無駄よね。そんな怖い顔をしないで。可愛い顔が台無しよ」 クスクスと笑った額田さんを見て、フーさんとウーさんが僕をバカにしたと思ったみたいで、じろりと鋭い目付きで睨み付けた。 「あらやだ。揃いも揃ってイケメンに見詰められると恥ずかしいでしょう。そんなにじろじろ見ないでくれる?」 額田さんはまったく動じなかった。ただ単に勘違いしているだけかも知れないけど。 「ボディーチェックならいつでも大歓迎よ」 額田さんがそんなに疑うならと、ポケットに入っているものをテーブルの上に並べはじめた。 スマホに小銭入れにメモ帳とペン。あとくしゃくしゃに丸まった紙かな?なんだろう? そのくしゃくしゃに丸まった紙を額田さんからぽんと手渡された彼。 訝しげに首を傾げながら、破かないように丁寧に広げはじめた。 「これは…………」 彼と信孝さんがほぼ同時に声を上げた。 「何?信孝さん?」 「遥琉さん?どうかした?」 僕とナオさんも同じタイミングで聞き返していた。 「彼が愛したのは私じゃない。薄々は勘づいていたけどね。こんな節操なしの最低最悪の男と結婚した私がバカだったわ」 二人は見ない方がいい。彼がそう言うとその紙、正確には何枚かの写真をスーツの内ポケットにすっとしまいこんだ。

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