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番外編 私を信じて
「ナオさん大丈夫?」
「うん、ごめんね」
ナオさんは今も忌まわしい過去に囚われ続けている。
僕がそうだったように、ナオさんもいつ現れるか分からない礼さんの影に怯え、苦しめられていた。
「みずほ止めてくれ。ナオに礼を会わせないでくれ」
「大丈夫。礼は呼んでない。安心して」
額田さんは電話の向こうの相手にすぐ来るように伝えると電話を切った。
ピンポ~ン。
一分も経過しないうちにチャイムが鳴った。
「吉崎を呼んだの。秘書や顧問弁護士よりずっと信頼出来るから」
吉崎さんって誰?
はじめて聞く名前だった。
彼や信孝さんの知り合いのかな?
フーさんを伴い、信孝さんがすぐに玄関に向かった。
「ねぇ、遥琉さん?吉崎さんって?」
「未知はまだ会ったことがなかったな。吉崎は礼の元私設秘書だ。本名、福光翔。礼の秘書を辞めたあと、信孝のビジネスパートナーになった」
「福光・・・・・翔・・・・・って、もしかして・・・・・・」
「礼の母違いの実兄だ。スキャンダルを恐れ、ずっとその存在をひた隠しにされていた男だ」
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