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ナオさんのお兄さん

「未知、ごめんな」 ただでさえ忙しい彼。 仕事の邪魔をしないように、いつ聞こうか様子を伺っていたら、ナオさんや紗智さん、那和さんが僕の代わりに聞いてくれたみたいで。彼が慌てて部屋に入ってきた。 「お仕事は?」 「弓削がいるから俺がいなくても大丈夫だ。それにオンラインでも打合せは出来るから」 隣に腰を下ろすとスマホを操作し画面を見せてくれた。 「いちた、あかちゃんのなまえみたい」 「ハルちゃんも」 タブレットで動画を見ていた一太と遥香がパタパタと駆け寄ってきて、彼の両隣を陣取った。 「それじゃあママが見えないだろう」 「いちたがあかちゃんのなまえをよんであげるんだ。ママまっててね」 「さあやちゃんに、ひまりちゃん、りんちゃん、ゆめちゃんだって。ひまりちゃんが、せんりおねえちゃんのオススメみたいだよ。ハルちゃん、ひまちゃんだって」 ひらがなはまだ覚えたてで。読めないところは彼に手伝ってもらった。 「ひまちゃん、かぁいいね」 遥香が両手を叩いた。

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