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番外編 最善の余慶
「晴くんと未来くんもいたのか。二人とも元気だったか?ほら、おいで」
惣一郎さんがにっこり笑って手招きすると、未来くんは恥ずかしがって信孝さんの後ろに隠れてしまった。
「みく、にいちゃんといっしょならだいじょうぶでしょう?」
晴くんが手を差し出すと未来くんはすこし考えたのちその手を握った。
「なにかあってもだいじょうぶ。パパやいちたおにいちゃんがいる」
「うん‼」
未来くんは大きく頷くと、晴くんと惣一郎さんのところに駆け寄った。
「そうじぃじは?げんきだった?」
「あぁ、この通りぴんぴんしている」
惣一郎さんが一人ずつ交代で抱き上げてくれた。
あれほど恥ずかしがっていた未来くん。モジモジしながら両手を差し出した。
「珍しいな、あの未来が自分から抱っこをねだるなんて」
「だって子どもたちみんな惣一郎さんが大好きだもの」
キャキャと黄色い歓声を上げながらはしゃぐ子どもたちの声に、同じ格好をした人たちが一人また一人と集まってきて。
ナオさんが慌てて帽子を被った。
「フー、ウー」
紗智さんと那和さんが二人に声を掛け、何かを指示していた。
「未知、ナオ、この人達はみんな儂の知り合いだ。大丈夫だ」
ナオさんは首を横に振り、帽子をさらに深く被ると、信孝さんの袖にしがみつき顔を隠した。
それを見ていた一人の白髪まじりの女性がゆっくりと僕たちを怖がらせないように笑顔で歩み寄ってきた。
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