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番外編 薄墨の女
「その話しはもう終わり。ご飯にしましょうか?」
「一太くんとハルちゃんがはりきってお手伝いしてくれたのよ」
紫さんと和江さんが連れ立って広間に入ってきた。
「和江・・・・・さん、無事で良かった」
「遥琉さんがずっと私たちのことを気に掛けてくれて。護衛を付けてくれていたから。未知さんも元気そうで安心したわ」
お互いに胸を撫で下ろすと、手を取り合って再会出来たことを喜び合った。
夕御飯は橘さん、紫さん、和江さんが腕によりをかけて、心尽くしの料理を作ってくれた。
今日入学式を迎えた一太と、明後日入園式を迎える遥香のお祝いのご馳走がテーブルにところ狭しと並べてあった。
彼と柚原さんはまだ帰ってこない。
連絡もないから、心配で・・・・・
メールや時間を見るために、スマホを何度確認したか分からない。
「大丈夫ですよ。じきに帰ってきます」
箸を持ったまま、ご飯をもりもりと嬉しそうに食べる一太と遥香をぼんやりと眺めていたら橘さんに声を掛けられた。
太惺と心望にご飯を食べさせてくれていた紗智さんと那和さんにも、
「バーバも不死身。だから、大丈夫だよ。元気出して」と励まされてしまった。
「うん、そうだね。きっと大丈夫だよね」
ふと地竜さんのことが頭を過った。
彼も地竜さんも無事だといいんだけど………
ふたりから連絡がないってことは元気だってことだよね?
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