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番外編 姐さんLOVE
ぽかぽかと暖かい日差しが降り注ぎ、ツーピー、ツーピーと鳥の鳴き声が響いてた。
「いってきます」
黄色いカバーを付けた真新しいランドセルを背負い、溢れんばかりの笑顔を振り撒きながら一太が元気よく登校していった。
あれだけ呑んでも二日酔いしないお祖父ちゃんとお義父さん。それに惣一郎さんと度会さん。
四人仲良く一太に付き添い小学校まで朝の散歩に出掛けた。
楮山組の連中がまだうろうろしているかも知れないからと、若い衆を護衛に付けようとした彼に、年寄り扱いするな。まだまだ若い者には負けないぞ。そんな言葉を残し意気揚々と出掛けていった。
「姐さん」
入れ違いに弓削さんが姿を見せた。
「あ、あの・・・・・えっと・・・・・・その・・・・・」
昨夜彼に聞き返したけど、上手い具合に話しをすり替えられてしまった。
カシラはつまり若頭、弓削さんのこと。
橘さんにそれとなく聞いたらなぜかクスクスと笑われてしまった。
弓削さんは確か心さんが好きだったはず。なのになんで・・・
何をどう聞いたらいいか分からず、ますます気まずくなってしまった。
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