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番外編 姐さんLOVE

忘れ物でもしたのかな?ウーさんがすっと急にいなくなった。 でもすぐに、 「たいした怪我じゃねぇんだ。恥ずかしいから、下ろしてくれ!」 若先生を連れて戻ってきた。 お姫さま抱っこが駄目ならおんぶならいいだろう? そう言われたみたいでウーさんの背中に子どもみたくちっちゃく体を丸めて大人しくおんぶされていた。 若先生の右足には包帯がぐるぐると巻かれていた。 「良かった無事で」 彼が安堵のため息をついた。 「おめさんや千ちゃんが護衛を寄越してくれたお陰だ」 「千ちゃん?」 いつの間にか若先生まで千里さんのことを千ちゃんと呼んでいた。 それが面白くないのかウーさんは少し不貞腐れていた。 「いゃあ~その~」 若先生もしまったとでも思ったのか、ウーさんの顔色を伺うようにおっかなびっくり見上げた。 「躓いて転んだだけだ。たいした怪我じゃないんだ。ウー、悪がった」 しゅんとして項垂れていた。 「たくお前ら、まだ痴話喧嘩をしているのか?飽きないな本当に」 「それをいうなら痴話喧嘩じゃなくて、夫婦喧嘩だろう」 やれやれとため息をつきながら根岸さんと伊澤さんが姿を見せた。 斉木先生も足を負傷したのか、二人に両肩を支えられ、足を引き摺っていた。

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