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番外編 姐さんLOVE
「カオルはまるで月下美人のような人だ。黒竜 にさえ出会わなければ、ごく普通に生きられたのにな」
「見えない鎖で囚われて、雲を霞と逃げることも出来ず、かわいそうなおなごだよ」
斉木先生と若先生が、もう逃げられないと分かると自らのこめかみに銃を突き付け、引き金を静かに引いたカレンさんを医者として一人の人間として助けることが出来なかったことが悔しくて、どうにかして黒竜からカレンさんを助けられないものか。
ここに着くまでの車内で、根岸さんや伊澤さんを交え親子で何度も話し合ったことを打ち明けてくれた。
「ねぇ遥琉さん。カレンさんも、罪をちゃんと償って更正すれば、紗智さんや那和さんみたく生き直すこと出来る?」
彼の表情は固かった。
橘さんも厳しい表情をしていた。
「闇に飲み込まれるくらい根っこが深すぎるんだよ。因果応報といえばそれまでだがな」
彼が斉木先生と若先生を広間に案内してくれ。椅子を二脚持って来てくれ。とすぐ近くに控えていた若い衆に命じた。
「未知さんは誰にでも優しいべ。心も綺麗で透明なんだ。だから、未知さんのまわりには自然と心根が優しい人たちが集まるんだと思う。未知さんがウーのマーで良かった。あんがとな」
ウーさんの背中にギュッとしがみつく若先生に頭を下げられた。
「僕は別になにもしてないです」
「謙遜しなくてもいい。俺、嘘は言わねぇ」
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