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番外編 哀しき邂逅
どんなに待っても4人がなかなか帰ってこなくて。心配した彼が鞠家さんと柚原さんを連れ3人で探しに行った。
その直後、
『若い男がうちのコンビニの駐車場で泥酔して寝てて、車に轢かれたら大変だと思って起こしたんだが、それに対し若い男がいきなりぶちギレて、えらい騒ぎになってるんだ。若い男は見た感じ日本人なんだが、喋っている言葉が日本語じゃなくて、中国語か韓国語だと思うんだが、卯月さんに仲裁に入ってもらいたくて電話をしたんだ。警察沙汰にしたら逆に恨まれそうで恐いんだ』
知り合いの店長さんから切羽詰まった声で電話があった。
「オヤジが留守なんだ。俺が行く」
弓削さんが背凭れに掛けてあった上着に手を伸ばした。
フーさんとウーさんもただならぬ雰囲気を察したのか、すっと前に歩み出た。
「ウー、せっかく旦那に会えたんだ。側にいてやれ。姐さん、フーを借りる。橘、根岸、伊澤、女弁護士と梶山組の連中がまだウロウロしているから、姐さんと子どもたちを頼む」
弓削さんが護身用の折り畳み式ナイフを懐に忍ばせた。よく見ると弓削さんもフーさんも防弾チョッキを身に付けていた。
「発砲事件があったばかりです。姐さんにいいところを見せたいのは分かりますが、くれぐれも無茶をしないでくださいよ」
「いちいち言われなくても分かってる」
そう言い残すとフーさんと若い衆を数人引き連れ意気揚々と出掛けていった。
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