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番外編 パンドラの箱に最後に残るのは

「お祖父ちゃん、惣一郎さん、朝ごはんの用意が出来ました」 翌朝ーー まだ夜が明けきらないうちに起き出しウォーキングに出掛けたお祖父ちゃんと惣一郎さん。そのあと着替えて庭で竹刀を振りはじめた。 「お、ありがとうな」 二人にタオルを手渡した。 「惣一郎と度会に東京に帰らずこのまま福島に住めって言われた。ここを終の棲家にしてってな。未知や子どもたちの側にいたいのはやまやまなんだが、上総や遼禅が寂しがるからな」 縁側に腰を下ろしお祖父ちゃんが額の汗をタオルで拭った。 「播本、お前もいい年なんだ。卯月や度会がちゃんと面倒をみるって言ってんだ。甘えたらいいんだよ」 首にタオルを掛け額の汗を拭きながら惣一郎さんも遅れて隣に腰を下ろした。 「紗智や那和はそんなに柔じゃないぞ。二人とも極道の女だ」 「そうだ未知。ちゃんと事実を二人に伝えてやれ」 地竜さんはあのあと広間にお祖父ちゃん、お義父さん、度会さん、惣一郎さんを呼んで僕たちに話したことと同じことを話した。 悪者は俺だけでいい。 全部悪いのは俺だ。 紗智、那和、フー、ウーは何も悪くない。 だからこれからも未知の側に置いてほしい。 そう言って深々と頭を下げたみたいだった。 「まずは朝めしだ。それからでも考えればいい」 「播本、その前に一太を送っていかないと」 「おぅ、そうだった」 顔を合わせるなり「お互い年は取りたくねぇな」とくくくと笑いだした。 お義父さんも度会さんも手を尽くしカレンさんの出目を調べたけれど養護施設に引き取られる前のことは一切何も分からなかった。 でも甲崎さんから提供された情報をもとに再度調べてみると驚愕の事実が判明した。

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