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番外編 应该拿到幸福吧!

朝とは違い、緊張した強い表情をして直立不動で真っ直ぐ前を見据えていた。 何ともいえないぴりぴりした物々しい雰囲気に、通用門の警備にあたっていた若い衆の表情も自然と引き締まっていた。 「どうした?」 何人かメンバーが入れ替わっていることに気付き、思わず足を止めた僕に、彼が怪訝そうな表情で振り返った。 「ううん、何でもない」 首を横に振り歩こうとしたら、 「老婆《ラオ ポ》」 最前列にいた同い年くらいの若い男に声を掛けられ、恭しく頭を下げられた。 「ラオ……ポ?あの………」 意味が分からなくて首を傾げた。 「マーがボスの妻だから、尊敬の意味を込めてそう呼んだみたいだよ」 紗智と那和さんが姿を見せた。 「度会さんに通訳頼まれて大変だった」 「話し掛けても完全無視だし。ね?」 「うん」那和さんが憮然としていた。 「あの若さで、自分よりも何歳も年上の男どもを従えている。たいしたもんだな。紗智、那和、悪いがフーとウーにヤツが何者か聞いてもらえないか?」 「遥琉さん?」 「未知に頭を下げたとき、ヤツは鼻で笑っていた。ボスの妻に対する態度ではない」 彼に面倒なことに巻き込みたくないから、遥香と先に家に入ってろ、そう言われ、後ろを何度も振り返りながら、護衛の若い衆に付き添われ家に帰った。

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