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番外編 应该拿到幸福吧!
ただいま!一太が元気いっぱいに帰ってきたのはそれから10分くらいあとだった。
「ねぇ一太、パパたちまだお話ししてた?」
「うん。にわで」
玄関の向こう側を指差した。
「そうなんだ」
五月蝿くするとご近所さんに迷惑だから敷地内にいれたのかな?
中にはあまりいい顔をしない人たちもいるから。
ご近所さんとの付き合いもなかなか難しい。
「そうだ一太。地竜さんは?いた?」
「ううん。さっちゃんとななちゃんもディノンさんまだかなって」
「そっか」
無事だといいんだけど……
一抹の不安が頭を過った。
「たちばなさんただいま!おひるごはんはなぁに?」
「さぁ何でしょうね。紫さんと和江さんが台所で待ってますよ」
「じゃあランドセルおいてくる!ハルちゃんもおきがえしよう」
「うん!」
遥香と仲良く手を繋ぎバタバタと廊下を走っていった。
「あの、橘さん」
どう聞いていいか分からなくて言葉が続かない。
「那和さんは、紗智さんが話しがあると言った時点で、もしかしたら紗智さんが血を分けた兄弟じゃないか、そう直感で感じたそうです。リーがお前には3人の兄がいると一度だけ話してくれたことを思い出したそうです。それと面倒をみてくれていた男たちの中に医生(イーション)と呼ばれていた男が二人いたことも」
「イーションって?」
「医者のことです。そのうちの一人は間違いなく地竜さんのお兄さんでしょう」
「そうなんですね」
「那和さんも紗智さんと同じことを口にしました。紗智が僕のお兄ちゃんで良かった。リーの子どもじゃなく、マーとバーバの子どもとして産まれたかったと」
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