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番外編 应该拿到幸福吧!
「ウーがあぶねぇって聞いて、あっぱとっぱして、くたびっちゃ」
ウーさんに体を支えてもらい若先生がよっこらしょと用意された椅子にゆっくりと腰をおろした。
「地竜は?」
「それがまだなんです」
「なんだべな」
若先生の視線が何気に玩偶《ワンオウ》さんに向けられた。
「おめさんは?みねぇ顔だな?」
「地竜の手下だ」
「じゃあおめさんか、俺のウーを中国さぁ、つれでぐって言ったのは」
若先生が声を荒げ足元に置いた松葉杖に手を伸ばした。
「右足を怪我しているんですよ。 無理をしないでください。地竜が言っていたのは芫という男です。彼は無関係です」
てっきり自分のことを悪く言われたと思ったのか玩偶《ワンオウ》さんが眉をしかめながら鞠家さんに話し掛けた。
ここにきたばかりのフーとウーと同じだ。
ヤツは感情をうまく表現することが出来ないらしい。どんなに嬉しくても、鼻でバカにするように笑う癖がどうも直らないらしい。
だからさっきのは悪気があったわけじゃない。そう謝っていた。
そうだよね。
人は見掛けで判断しちゃいけないよね。
地竜さんが信頼を寄せる幹部の一人だもの。
「玩偶 さん」
気付けば自分から声を掛けていた。
「お腹が大きくて座るのがちょっと大変だから立ったままでごめんなさいね」
彼は黙ったまま小さく頷いた。
「誰もあなたのことを悪く言ってないよ。だから安心して食べてて大丈夫だよ。ご飯のお代わりは?お味噌汁は?鯖の味噌煮は?いっぱいあるからゆっくり食べて。もし何か食べたいものがあったら遠慮なくリクエストしていいからね」
鞠家さんが通訳する中国語に耳を傾ける玩偶さん。箸を持ち上げたまま、ハッとしたように僕の顔を見上げた。
こうして見るとどこにでもいるごく普通の若者にしか見えないのに。
彼もまた、地竜さん同様中国の黒社会で暗躍するギャングの一員。
それがいまだに信じられなかった。
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