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番外編 应该拿到幸福吧!
テーブルに頬杖をつきニコニコと笑顔を浮かべ、興味津々に玩偶さんをじっと観察する一太と遥香。
ー体はあの通りデカイが中身は一太と同じ6才児だ。飯が終わったらワンと遊んでやってくれー
地竜さんに頼まれた二人。
鬼ごっことボール遊びをする気まんまんでいまる。
「一太、遥香、そんなに見詰めたら、玩偶さんが気になってご飯を食べられないよ」
「だって、はやくあそびたいんだもの」
「ハルちゃんも!」
初対面とは思えないくらい屈託のない愛くるしい笑顔を振り撒く二人に玩偶さんは面喰らっているようだった。
箸を置いて座布団から立ち上がろうとしたら、
「ワンさん、ごちそうさまがまだだよ。せすじをぴんとのばして、おててをあわせて、ごちそうさまをちゃんとしないと」
一太がこうやるんだよと、お手本を見せると、玩偶さんは見よう見まねで正座して両手を合わせた。
「一太、玩偶さんはね日本語が話せないんだよ」
「じゃあぼくがかわりにいってあげる。ごちそうさまでした」
「ご……ち……た?」
首を傾げながらも懸命に言葉を続けた。
「ワンさん、じょうず!」
「すごい!」
一太と遥香に褒められ恥ずかしそうに顔を真っ赤にし照れ笑いしていた。
後片付けも三人で仲良くして、「あそぼ!」ちっちゃな手をふたつ差し出され、迷うことなく、玩偶さんは笑顔でぎゅっと握り返した。
「フーさんも、ウーさんも!」
「あちょぶの」
空いた手で困惑する二人の手首をむんずと掴むと、そのまま庭へグイグイと引っ張っていった。
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