大の大人が三人。青空のしたで、まるで子どもみたいにはしゃいでいた。 はじめこそ表情が固く笑いもしなかった玩偶さんだったけど、一太と遥香と鬼ごっこしたり、ボールで遊ぶうち、自然に笑うようになった。 フーさんもウーさんも同じ。 顔に嬉しさを隠しきれないといった感じで声を上げ笑っていた。 言葉が通じないなんか全然関係無い。 「さすが一太だな」 「私の可愛い娘だって頑張ってますよ」 一太と遥香が運んできてくれた座布団をお尻の下に敷いて、足をぶらぶらさせながら縁側に座っていたら、橘さんが右側、柚原さんが左側にそれぞれ腰を下ろしてきた。 「ま～ま」 「たいくん、ここちゃん、おめめ覚めたんだね」 ままたんとぱぱたんに抱っこされ、寝起きとは思えないくらい二人とも目をくりくりさせて、にこにこと声を上げて笑っていた。 玩偶さんの足が止まった。 びっくりしたように二度三度見していた。 子どもは2人だけだと思い込んでいたんだと思う。４人もいたらそりゃあ誰だって驚く。 「ワンさん、たいくんにここちゃんだよ」 一太が玩偶さんに紹介してくれた。 「どうしたんですか？」 ププと柚原さんが急に笑いだした。 「いやな、僕がいるのに、僕より大事な人がこんなにいるなんて信じられない、アイツ、一丁前に焼きもちを妬いてるぞ」 柚原さんも紗智さん同様相手の唇の動きで何を言っているか分かるから、すぐに訳してくれた。