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番外編 应该拿到幸福吧!
「未知さん、紗智さんと那和さんのマーとして、二人をどうか見守ってあげてください」
「ワンは俺と優璃でしっかり見張ってるから大丈夫だ。それに、やたらと元気な長老が四人もいるんだ。いくらガキでもそこまでバカじゃないだろう」
橘さんと柚原さんに言われ、散々迷った末、子どもたちの面倒を二人に頼み、奥の客間に向かった。
足音を忍ばせ、そぉーと入ると彼を間に挟み、紗智さんと那和さんが、地竜さんと向かい合って座っていた。お互い一言も発することなく、ただ静かに見つめ合っていた。
「你们都不是不幸的孩子了、应该拿到幸福吧!」
(ニーメン ドゥブシ ブシン ダ ハイズ ラ、インガイ ナァダオ シンフゥ バ!)
沈黙を最初に破ったのは地竜さんだった。いつまでも埒があらないと判断したのだろう。
どういう意味なのか分からず首を傾げていると、
「貴方たちはみんな不幸な子ではないから、幸せを掴みとれ!二人に伝えた」そう教えてくれた。
「・・・・・・!」
紗智さんが地竜さんの台詞にはっとし、目を大きく見開いた。
がたがたと震えながら両手で口元を覆った。
「どうした?殴らないのか?腹の虫が治まらないんだろう?」
「思い出した・・・・・昔、優医生《ユウ イーション》(優先生)に同じことを言われたんだ。なんで今の今まで気がつかなかったんだろう。育ての親であり、命の恩人でもあり、忘れちゃいけない大切なひとなのに、なんで・・・・」
後悔しても仕切れないとばかりに、両眉を寄せ、目をぎゅっと閉じた。
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