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番外編 地竜さんとワンさん

「ワンさん、だいじょうぶかな?だってないてんだよ。いちた、ワンさんにここにいてほしかった。わらったおかおをもっとみたかった」 「ハルちゃんも!」 まさか二人にそう言われるとは思ってもみなかったから驚いた。 「紗智も那和も部屋から出てこない。参った」 ほとほと困った様子で彼がため息をつきながら姿を現した。 「やっぱり一発殴りたかったって、今さら言われてもなぁ。困ったもんだ。一太、遥香、パパと一緒にお風呂に入ろう。紗智と那和がどうしたら笑顔になるか作戦会議だ」 二人を手招きすると、 「はぁ~い!」 「うん!」 元気に返事をしてバタバタと庭から戻ってきた。 3人がお風呂に向かって間もなくーー 「未知さん、どうやらワンさんが戻ってきたようですよ」 「え?嘘?」 橘さんの言葉を疑うわけじゃないけど、にわかには信じられなくて声が震えた。

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