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番外編 酔生夢死
秦さんと青空さんと家に帰ると、玄関が水浸しになっていて、若い衆が片付けに追われていた。
「ワンの仕業です。急いで片付けますので、すいませんが、廊下から出入りしてください」
「ワンさんは?」
「度会さんに首根っこを掴まれて連れていかれました」
「そう」
もはやため息しか出なかった。
今朝も廊下に液体石鹸を撒き散らし紫さんに注意されたばかりだった。
「愛情に飢えているんだよ。青空も舎弟になったばかりの頃は悪さばかりして兄弟子たちによく怒られていたものな」
青空さんがもう昔のことです。恥ずかしそうに俯き今にも消え入るような声で返していた。
「秦さんお久し振りです」
エプロン姿の彼が奥の部屋から姿を現した。
「なんだその格好」
プププと秦さんが吹き出していた。
「娘とままごと遊びをしてました」
「未知しか眼中にないと思ったがちゃんとパパしてんだな」
「健診の日くらい子どもたちの面倒をみると橘に約束したので」
「相変わらず尻に敷かれているな。千里と笹原を見ているようだ」
ハハハと秦さんが声を出して笑い出した。
「秦、久し振りだな」度会さんが戻ってきた。
ワンさんの姿はなかった。
キョロキョロと辺りを見回すと、
「 紫と橘に任せてきた。心配しなくても大丈夫だ。みっちり怒られている訳じゃないから」
ぽんぽんと肩を軽く叩かれた。
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