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番外編 酔生夢死
「でな未知」、彼に紙切れを二枚渡された。
それを広げると、
【ワンがちと気になることを紗智や那和に話してくれた。カレンからの手紙は日本語と中国語、解読不能な暗号みたいな言葉がごっちゃまぜになっていて、鞠家とフーとウーが解読作業をしている。もしかしたら俺たちはとんでもない大きな勘違いをしていたのかも知れない】
【ワンの話では盗聴器が家中に仕掛けられている。芫は嘘つきのピエロ。
ダオレンと古狸は同一人物かも知れない。
フーとウーは最初から芫を疑っていた。
彼は信用してはダメだ。
地竜も信用しているふりをしていた】
にわかには信じられなくて二度、三度と彼の顔を見上げた。
「ワンに毎日あちこち水浸しにされ、落書きだらけだから、今度の週末、ハウスクリーニングの業者に来てもらうことにした。未知、悪いが子どもたちを連れて信孝の家に行ってくれないか?話しはしてある」
頼むから、彼の目がそう言っていた。
「うん、分かった」
話しを合わせるため大きく頷いた。
「遥琉、元カノからラブレターをもらい嬉しかったでしょう」
「おぃ橘、今言うことじゃねぇだろう」
「じゃあ、いつ言うんですか?」
即興とは思えない二人の芝居が始まった。
那和さんが込み上げてくる笑いを必死で堪えていた。
「ここちゃんのパパはモテモテだったんですよ。ままたんもパパにたっくさん、泣かせられたんですよ」
「あ~~ぁ!娘に余計なことを教えるな!」
耳の痛いことをズバズバと言われ、彼の額からは汗が噴き出していた。
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