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番外編 酔生夢死
一太と遥香を迎えに行きその足でナオさんの家に行こうと外に出ると、
「フクシマ装美《そうび》」と背中に社名が入ったグレーのツナギを着た男性が4人、玄関の前で度会さんと打合せをしていた。
「こんにちは。ご苦労様です・・・・・あれ?」
挨拶しようと男性たちに声を掛けて驚いた。
「え?何で?」
目をぱちぱちさせると、
「驚かせて悪いな」
伊澤さんが苦笑いを浮かべ申し訳なさそうに頭を掻いていた。
「未知、久し振りだな」
にこやかな微笑みを湛え声を掛けてくれたのは蜂谷さんだった。
「眼鏡を掛けているのが猪爪 。俺の同期だ。警察官を辞め今は探偵をしている。盗聴器を見付け出すプロだ」
「はじめまして卯月未知です」
ぺこりと頭を下げると、
「きみが噂の・・・・・なるほどな。こんだけ可愛いんだ。タマが焼きもちを妬くのも頷ける」
「猪爪、余計なことは喋るな」
蜂谷さんが急に慌て出した。
「未知、彼がフクシマ美装の社長の吉賀 だ」
度会さんが猪爪さんの隣にいた男性を紹介してくれた。
「はじめまして卯月未知です」
何事も挨拶が大事。ぺこりと頭を下げた。
「度会とは幼馴染みなんだ。度会と会うたび自慢している孫娘と曾孫たちにようやく会えた。それにしても、いやぁ~~めんこいな。幾つだ?」
紗智さんと那和さんにそれぞれおんぶしてもらい、親指をチュチュとしゃぶりながらねんねする太惺と心望を目を細めて覗き込んだ。
「先月に誕生日を迎えたばかりだ」
「そうか」
吉賀さんの目尻が下がりっぱなしになった。
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