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番外編 酔生夢死
「全部聞かれていたんだよ。全部・・・・・」
ナオさんがタオルで顔を覆うとその場に泣き崩れた。
「ナオさん」
「ナオ」
3人で側に駆け寄り体を支え抱き起こした。
「ごめんね、全然知らなかった」
「俺が口止めしたんだ。サツはたかが盗聴とまともに相手にしてくれなかったからな。信孝の家に盗聴器が仕掛けられたということは、度会さんの家にも仕掛けられているかも知れない。犯人の手掛かりを掴むため、信孝と蜂谷と相談して、未知には話さないことにしたんだよ」
ナオさんが受けた恐怖は言葉に出来ないくらい想像を絶するものだったと思う。
「見えない影に脅え、疑心暗鬼に陥ってこの一週間近く部屋に引きこもり出てこれなかったんだ。だから大掃除を前倒ししたんだ。未知や紗智、那和がここに来ればナオだって部屋から出ざるを得ないだろう。これ以上未知やナオに怖い思いをさせるわけにはいないからな」
太惺がドアの向こうからひょっこりと顔を出した。大好きなパパを見付けたちまちニコニコの笑顔になった。
ハイハイであとを追い掛けてきた遥香もパパ~~‼とおっきな声をあげてドアを掴み立ち上がろうとした。
「手を挟めたら大変だ」
彼がすぐ二人のもとに駆け寄った。
「オヤジ」
根岸さんが三人の前に音もなくすっと現れた。
「見付かったか?」
「はい。でも・・・・」
そこで一旦言葉を濁した根岸さん。
彼が「そうか」深いため息をついたのが分かった。
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