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番外編 酔生夢死

「パ~パ!」 壁や天井を興味深そうに眺めていた太惺と心望が何かに気付いたみたいで競うように彼の膝の上によじ登り、小さな手を懸命に伸ばし壁の落書きを指差した。 「晴か未来が落書きしたんだろう………ん?」 ネクタイを掴み膝の上に立っちした太惺と心望の体を支えながら一緒に見ていた彼も何かに気付いたみたいだった。 「目の黒い部分、これってカメラじゃねぇのか?太惺も心望もスマホをおもちゃにして遊ぶのが好きだからな。だから気付いたのか。二人とも偉いぞ。お手柄だ」 彼に頭を撫でてもらい太惺も心望もニコニコの笑顔になった。 「カメラって………盗撮もされていたの?嘘………」 ナオさんがガタガタと震えながら信じられないと首を何度も横に振った。 「仕掛けられていた場所は大人の目の高さじゃなく、子供の目の高さだ。だから信孝も蜂谷も誰も気付くことが出来なかったんだよ。たく、手の込んだことをしてくれる」 彼が一太や遥香、それに晴くんと未来くんに、すぐに来るように大きな声で呼んだ。 すると一分も掛からないうちに4人が姿を現した。 「そこにカメラのレンズがあるんだ。分かるか?」 彼が指差した方向を目を凝らし、じっーと見つめる4人。 「ほんとうだ、パパすごい!」 「いちたくんのパパ、すごい!」 「見付けたのはたいくんとここちゃんだがな」 彼が一太たちに同じようにカメラが仕掛けられているかも知れないからと、みんなで宝探しをはじめた。

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