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番外編マトリの女?
「ごめんな未知。チカはこう見えても・・・・」
「あ~~ん、もぅ。ハルくん、アタシから説明させて」
「てか、普通に話せ」
「えぇ~~‼これが普通よ」
「あのな………」
額に手をあてる彼。
信孝さんもやれやれとため息をついていた。
「チカはこう見えても厚生労働省地方厚生局麻薬取締部・東北厚生局の麻薬Gメン、マトリだ」
「元サツのキャリアが今は厚生労働省に出向して麻薬を取り締まってるんだ。正気の沙汰じゃねぇ」
「元々デスクワークが苦手だったよ。それだけ。それに…………」
そこで言葉を一旦止めると、信孝さんの肩に抱き付き、頬っぺにチュッと軽く口付けをした。
「こら、チカ!」
信孝さんが声を荒げた。
ナオさんは何が起きたかいまいち理解出来ず、茫然自失となっていた。
「ノブくんに告ったら、見事にフラれたから」
信孝さんの額からは冷や汗がだらだらと流れていた。
「ハルくんとの仲も疑われて、本当に大変だったのよ。さぁてと、余計なお喋りはこの辺にして…………で、蜂谷」
チカちゃんの声がガラリと変わった。
テンション高めの甲高い声から落ち着いた大人の男性の声に。
「俺の言った通りだろう。浅川は根っからの悪党だ。信じる方がバカなんだ。で、ブツは?」
「こっちだ」
蜂谷さんには見慣れた光景なのか、ギャップの差にさほど驚くこともなく、さっきなにかを見つけた部屋へとチカちゃんを連れていった。
彼と信孝さんも二人のあとを追った。
信孝さんはナオさんに平謝りしながらだったけど。
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