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番外編 マトリの女?
「あ、バーバばっかりズルい!僕もマーの手料理が食べたい」
那和さんが頬っぺたをこれでもかと膨らませ入ってきた。
右手でジウさんの手を引っ張り、左手でウーさんの袖を引っ張って。
「2人ともそうだって言ってる。抜け駆けはダメ。禁止」
「は?未知は俺の妻だ」
「マーはバーバだけのものじゃない、みんなのマーだよ」
「たく、言い方がますます橘に似てきたな」
口ではどう頑張っても敵わないと踏んだ彼。
そうそうに白旗をあげた。
「未知、疲れているところ悪いが、うどんが余っているようならみんなの分、準備してくれないか?」
彼の視線がドアに向けられた。
「鞠家、紗智はどうだ?落ち着いたか?」
「あぁ。すまんな、迷惑を掛けた。未知、紗智も食べたいって言ってる」
少し顔だけ出すと恥ずかしいのか鞠家さんの背中にすぐに隠れてしまった。
「紗智さんが元気になって良かった」
「なんだかんだ言って一番の甘えん坊だからな、紗智は」
「余計なこと言わないの」
「だって本当のことだろう」
耳の痛いことを言われ不貞腐れる紗智さん。
いつもみたく仲良く痴話喧嘩をはじめた二人。
「良かった元気が出て………」
「あぁ、一時はどうなるかヒヤヒヤしたぞ」
彼と目を合わせるなり、ほっとし胸を撫で下ろした。
「えぇ!また来るの?」
「未知とナオともう少し話しがしたいらしい。今度は仕事としてじゃなく、プライベートで、そんなことを言ってた」
「紗智や僕たちをはなから疑ってたんだよ」
「まぁ、そこはおおめにみてやってくれ」
ナオさんに手伝ってもらい大急ぎでうどんを準備し戻ってくると、彼が紗智さんや那和さんたちとそんな会話を交わしていた。
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