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番外編 ここにいても……いいの?
「どうしたら亜優さんに僕の想いが届くと思う?僕や遥琉さんにとって、子どもたちはかけがえのない大切な宝物。みんな幸せになるために生まれてきたんだもの。亜優さんにも幸せになって欲しい」
「マーの気持ち、亜優にちゃんと伝わってるよ」
「うん、そうだよ」
「言葉が通じなくても、そんなの関係ない」
紗智さんと那和さんに励まされた。
「亜優、耳の穴をかっぽじってよ~く聞け。未知はなーー」
鞠家さん、そんなに怖い顔をしたら、亜優さんが逆に怖がっちゃうよ。
「顔が怖いのは元々だ。てか、遥琉よりは怖くないだろう」
鞠家さんが困ったように苦笑いしていた。
真剣な眼差しで、通訳してくれる言葉にじっと耳を傾ける亜優さん。
頬を朱色に染め、恥ずかしそうに俯くとモジモジしはじめた。
「ねぇ紗智さん、鞠家さん何て言ったの?」
「えっとね………」
紗智さんが耳元で小声で話してくれた。
「恥ずかしがらずにマーって呼んで、遠慮せずに甘えればいいんだ。バーバは子どもには焼きもちを妬かないって。俺も那和も焼きもちを妬かないって。悪戯を覚えるより甘えることを覚えた方が為になるって……」
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