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番外編 ここにいても……いいの?本当に?
そのとき、突如として轟音が鳴り響き、家が大きく横に揺れた。外を見ると白煙がもうもうと空高く舞い上がり、ガソリンの匂いが辺りに充満していた。
「マーはここにいるの」
「だって、遥琉さん、遥香、紗智さん、鞠家さん。それに若い衆のみんながいるんだよ」
外に飛び出そうとしたしたけど、那和さんに腕を掴まれ、タオルを手渡された。
「お願いだから、未知さんは大人しくしてて。度会や柚原が様子を見に行ったから大丈夫。あなたには、橘と子供たちを守る役目がある」
駆け付けてくれた紫さんが足袋のまま玄関に下りると肩をそっと抱き締めてくれた。
「双重ってどういう意味だ。弓削に聞かれたことがある。二重人格だって答えたら、一人で納得していた。芫って変態?亜優に聞いたら、変態はもともと。彼は双重だって確か話していたかも………なんで、閉まらないの!」
那和さんが立て付けの悪い引き戸に苦戦していた。
「バレない絶対の自信があったから、つい油断したんだろう。恋は盲目とよく言ったもんだ」
彼の声が家の中から聞こえてきたから腰を抜かすくらい驚いた。
「頼むから、幽霊を見ているような目で見ないでくれ。ほら、ちゃんと足、付いているぞ」
「ママ‼ハルチャンもいるよ」
彼の背中から遥香がひょっこりと顔を出したものだから、さらに驚いた。
でも、彼が発した一言で場の雰囲気が一変し、一気に緊張感に包まれた。
「俺たちを庇い、鞠家が・・・・・怪我をした」
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