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番外編 ここにいても……いいの?本当に?

「根岸、伊澤、悪いな。わざわざ見舞いに来てもらって」 幼稚園は休みたくないと遥香に駄々を捏ねられ、 「じゃあパパと一緒に登園しような」そう返すと、 「えぇ~~‼ハルちゃん、ままたんとぱぱたんのほうがいい‼」 娘に即答されがっくりと肩を落としていた。 でも、たいくんとここちゃんが橘さんから離れなくて。ご機嫌斜めの遥香をなんとか宥めつつ幼稚園へ連れていってくれた彼が戻ってきた。 「弓削が不在なのが痛手だな」 「まぁ、しゃない。弓削にも休養が必要だ」 芫さんが連行されたその日の夜。 事務所で彼と幹部で今後のことを話し合っていた最中、弓削さんが突然嘔吐し、その場にバタっと倒れ込んだ。上澤先生がたまたま一階のエントランスで伊澤さんと立ち話しをしていて、処置が早かったから、一命だけはなんとかとりとめた。 芫さんは最初から弓削さんを道連れに心中するつもりでいた。 【決して叶わぬ恋。それならユゲを殺し、自分も死んだ方がまし。最期くらい正直に。自分を偽らずに】 意味深な、遺書ともとれる芫さんからのメールが弓削さんのスマホに残されていた。 「でも、柚原がやっとやる気になったらいいんじゃないか?」 「あぁ、そうだな」 後遺症が残るかも知れない弓削さんに、これ以上無理をさせたくない。 それは僕も彼も、みんな同じ。

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