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番外編 それでも俺は姐さんとともに生きていく
「ナオさん、大丈夫?」
「ごめんね、たいしたことないのに。お見舞いにわざわざ来てもらって。彼も柚原さんも大袈裟なんだもの」
「そんなことないよ。二人ともナオさんのこと、すごく心配していたもの」
柚原さんから、ナオさんが過呼吸の発作を起こし病院に緊急搬送されたと連絡があったのは一時間くらい前のこと。
フーさんとウーさんは廊下で待機してくれている。
「晴くんと未来くんは信孝さんがうちに連れてきたよ。一太たちと元気いっぱい遊んでいたから安心して」
「うん。目が覚めたとき、それが一番の気掛かりだったの。良かった。ありがとう未知」
「僕はなにもしてないよ。子守りに関してはどう頑張っても一太と橘さんには敵わない」
「うちも一緒。信孝さんには敵わない」
目が合うなりぷぷとお互いに笑っていた。
「でも本当にいいの?」
「だって彼が決めたことだもの。それに、彼と遥琉さんは魂の絆で固く結ばれているんだもの。どう頑張っても敵っこないよ」
遥琉さんは、組の人事を刷新するにあたり、信孝さんに鞠家さんの補佐役を頼んだ。
「カタギとして平凡に家族と生きていきたい。そう願っても、それを快く思わないひとだっている。その人たちから、僕や子どもたちを守るために、自分はやるべきことを全力でやるだけだって」
信孝さんもナオさんも、警察やマスコミから大切な家族を守れるのは自分たちしかいないんだと腹を括ったようだった。
“龍一家の長男坊の嫁“として生きていく。
ナオさんの決意は揺らぎようがなかった。
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