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番外編 それでも俺は姐さんの側で生きていく

「あ、そうだ。楮山組の上田さんってひと、遥琉さん知ってる?」 「上田……?」 一瞬首を傾げる彼。 「弓削さんと顔見知りなのかな?鼓膜が破れるくらい大きい声で、金のなる木を生け捕りにせんかって」 「金のなる木だと?俺の愛する妻を侮辱しや って」 憤然とした面持ちになり語気を強めた。 「でも、弓削さんが助けてくれたから。大丈夫だった」 「今朝まで、足手まといだ。迷惑を掛ける。俺なんていない方がましだって女みたいにうじうじして意気消沈していたのにな。同一人物とは到底思えないな。現金なヤツだ」 やれやれとため息をついていた。 「土産も買ったことだしそろそろ帰るか」 持っていた紙袋を彼が代わりに持ってくれて。空いている方の手で何気なく手を繋いでくれた。 「汗でびっしょりだ。熱はないか?具合が悪いところは?本当に大丈夫か?」 「遥琉さん、心配し過ぎだよ」 そんなに見つめられたら、ますます恥ずかしくなる。面映ゆい気持ちを感じた。

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