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番外編 誓う

「あの遥琉さん」 「もう少しで寝そうだから、ちょっと待ってろ」 「うん」 眠いのに寝れなくてぐすって駄々を捏ねる子どもたちを寝かし付けてくれていた彼。 「よし寝た。もう一組布団を敷くからもうちょい待ってろ。陽葵が産まれたら、ゆっくり一緒になんか寝れないからな」 ふたつ並んだ布団に4人仲良くお手手を万歳し川の字で眠る子どもたちを起こさないようにそぉーと布団から抜け出した。 押し入れから布団一式を引っ張り出すと、子どもたちの隣に布団を敷いてくれた。 「いちゃつきたいのはやまやまなんだがな」 チラリと恨みがましく襖を隔てた隣の座敷を見つめた。 「橘を怒らせたらマジで怖いからな。まぁ、取り敢えず寝よう」 先にごろんと横になり毛布を捲り、おいでと手招きされた。 お腹を手で支えながら彼の隣にゆっくりと潜り込むと腕枕をしてくれて、チュッと軽くおでこに口付けをしてくれた。 「未知が聞きたいことは弓削のことだろう?当の本人が言いたくないみたいで、俺もよく分からないんだ。ごめんな、役に立たなくて。ただ分かってることは弓削の体内にマイクロチップが埋め込まれていることだ。一体なんの目的で埋め込んだかは芫しか知らない」 「なんでそんな酷いこと出きるの?芫さん、弓削さんのこと好きだったんでしょう?」 「芫は弓削の他に好きなひとがいたみたいだ。でも、所詮は叶わぬ恋。だから弓削にプロポーズしたらしい。誰よりも弓削を愛しているからこそ、その想いが暴走したのかもな。まぁ、俺も毎回暴走してそのたんびに橘にみっちり怒られているから、芫の気持ちも分からない訳ではないがな」 困ったように苦笑いすると、口付けが今度は唇に触れてきた。

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