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番外編 誓う

「ダイジョウブ?」 ウーさんが心配そうに顔を覗き込んだ。 「まさかウーに心配される日が来るとはな。困ったもんだな」 「芫もきっとフーと同じで強い殿方が好きなのでしょうね。フフフ」 「紫さん」 弓削さんの頬が真っ赤になった。 「本物の芫は貴方に本当に惚れていた。私はそう思うわ」 「だから芫とは……」 額に汗を滲ませ必死に否定する弓削さんを、オホホと笑いながら紫さんが温かく見守っていた。 「千里さんや縣さんや卯月さんらに若頭就任の挨拶をするために鞠家と蜂谷さんが急遽上京することになったみたいよ。あ、でも遥琉さんは留守番。未知さんがいつ産気つくか分からないし、たいくんとここちゃんの初めてのあんよをどうしても見たいんですって」 「紫さんすみません」 「謝らなくてもいいのよ。子煩悩でいいパパさんじゃないの」 紫さんが靴を履き替え、庭へとゆっくりと下りていった。 鳥飼さんとヤスさんがすぐに気付き恭しく頭を下げた。鳥飼さんがフーさんの袖を引っ張ると、フーさんも慌てて頭を下げた。 「夫婦仲が良くて羨ましいわ。鳥飼さん、本部長補佐の女房としてフーさんをしっかり支えてあげるのよ。若い衆のいい手本になってあげて」 仕事もせずフーさんといちゃついていた鳥飼さんを頭ごなしに注意するのではなく、やんわりと窘めた。 「それとねフーさんに、これからはヤスの言うことをちゃんと聞くように、しっかり教えてあげて。2人でひとつ。柚原を支える屋台骨になるのだから」 「はい紫さん。分かりました」 「ヤスもね、フーさんに優しくあげるのよ」 「はい」 ヤスさんの表情が自然と引き締まった。

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