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番外編 誓う

「どうやらソタイに鼠が一匹紛れ込んでいたようだ」 彼が鞠家さんら幹部の皆さんと話し合っていたまさにそのとき。 「オヤジすみません」 鳥飼さんがすっーと入ってきて、彼の前に正座し深々と頭を下げた。 「俺のせいで迷惑ばかり掛けてしまってすみません。肩身の狭い想いをさせてすみません」 「どうしたんだいきなり。頭、上げろ」 「楮山も上田も……俺の舎弟だった頃は湯木と名乗っていたが、恨みがあるなら俺だけに復讐すればいいのに、本当にすみません」 「九鬼総業は青蛇や黒竜にいいように利用され解散に追い込まれた。奢りと、僅かな綻びが破滅へと向かった。俺らも他人事じゃない。鳥飼、何を言われてもいちいち気にすんな」 彼がすっと立ち上がり、鳥飼さんの前でしゃがみこんだ。 「悪いことはしていないんだ。堂々としてればいい」 肩をぽんぽんと軽く叩いた。 「フーがおっかない顔してるから、顔上げてくれ」クスリと微かに笑った。 「鳥飼、嫌なことを思い出させるようだが、九鬼総業の幹部やお前の舎弟だった男たちの情報がほしい」 「俺が分かることならなんでも喜んで協力する。でも」 そこで一旦言葉を止めると後ろをちらっと見た。 「俺と同じで、フーもかなりの焼きもち妬きなんだろう。なに大丈夫だ。二人きりで会わないようにする。橘や柚原に立ち会ってもらえばいいだろう」 「はい」鳥飼さんの表情がふっと少しだけ和らいだ。

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