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番外編 誓う
「心配無用です。忘れるわけないですよ」
「そうか、それなら良かった。たいくん、頼むからおじちゃんのことを忘れないでくれよ。絶対に元気になって戻ってくるから。お兄ちゃん、お姉ちゃん、ここちゃんと一緒に遊んでくれ」
目を細め太惺を見詰めると、嬉しそうにぎゅっと抱き締めてくれた。
「やけに寒いと思ったら、まさか雪が降るとはな。未知寒くない・・・・・どうした大丈夫か?」
鞠家さんたちを玄関で見送ったあと、部屋に戻ろうと立ち上がったとき、軽い目眩に襲われ体がふらついた。
寸でのところで彼が体を支えてくれたから事なきを得た。
「うん。大丈夫、ただの目眩だから」
起き上がろうとしたら、彼の表情が変わった。
「え?」
顔が近付いてきて、鼻先が触れそうな距離で見つめられ息が止まりそうになった。
驚いたまま動けずにいると、彼は軽く目を眇め、なにかを確かめているような表情を見せた。
そして次の瞬間、僕の額に額をくっつけてきた。
「遥琉さん、ちょっと待って」
幹部の皆さんや若い衆いるのに。
慌てて身を引こうとしたけど、後ろ頭を押さえられ逃げられなかった。
額に感じる彼の額。
冷たさが心地好くて思わず目を閉じると、彼は静かに額を離し、
「やっぱり熱っぽいな。部屋に戻ろう。すぐに横になった方がいい」
身体を支えながらゆっくりと起こしてくれた。
「このくらい平気だよ」
「どこがだ、おでこも手も熱い。風邪は万病のもとってよく言うだろう。大人しく寝てろ」
「優璃、体温計!未知が大変だ!」
柚原さんが慌てて走り出した。
言われてみれば体が火照っているような気がする。少し怠いけどそんなにたいしたことないのに。みんな心配し過ぎなんだから。
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