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番外編 誓う

「37度2分、熱はそれほどたいしたことないですね。色々あったから、疲れが出たんですよ。きっと」 子どもたちに風邪をうつさない様に橘さん達が普段寝泊まりしている部屋を借りることにした。 僕を構いすぎるから、余計に具合が悪くなるからとの理由で彼はここに入れさせてもらえなかった。 「柚原さんごめんなさい」 「今はゆっくり休め。俺はどこでも寝れるから」 廊下に出ようと襖戸を開けると、紗智さんと那和さんと亜優さんが雪崩れ込んで来た。 「だってマーが具合悪いって聞いたから」 「僕たちに何か出来ないかなって」 恥かしいそうに顔を逸らした。 「みんなありがとう」 「ウ―もいるよ。弓削がいない間俺がマーを守るって」 ひっこりと顔だけ出すと笑顔で手を振ってくれた。 水を運んでくれたり、タオルを準備してくれたりと至り尽くせりで。 てきぱきと動く3人をぼんやりと眺めていたら、隣の部屋から太惺と心望の泣き声が聞こえてきた。 「行かなきゃ」 起き上がろうとしたら橘さんに肩を留められ、額の上に濡れたタオルを置かれた。 「柚原さんに言われたでしょう。ゆっくり休めって」 「でも、彼ひとりで二人をあやすのは大変だし」 「大丈夫ですよ。柚原さんが助っ人に行きますから。パパとぱぱたんは揃って寝かし付けのプロですからね」 橘さんの言う通り二人に任せた方が安心だ。 再び布団の上に横になった。 「着いた頃かな?」 弓削さんたちがここを経って早いもので1時間半。 途中にあるサービスエリアで鷲崎さんと落ち合うって彼が言ってた。

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