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番外編 誓う
「たいくんおやつにしようね。鷲崎さんにバイバイっていえるかな?」
「バイバイ」
右手をあげニコニコ笑いながらスマホに向かって手を振っていた。
『なんだもうバイバイも言えるようになったのか。おじちゃん、ますますたいくんに会いたくなったよ』
「あの、鷲崎さん」
このタイミングで電話に出るのはかなり勇気がいる。太惺じゃなくてごめんなさい。怒られないかな?びくびくしながらスマホを持ち上げた。
『お、未知か?いゃ~あ、子どもの成長は早いな。泣くことしか出来ない赤ん坊だと思っていたのがじいじとバイバイを言えるようになったんだぞ。たいしたもんだ。めんこいな。分かってるって、ちょっと待て』
七海さんが早く変わってと催促する声が聞こえてきた。
『熱を出して寝込んでいるって聞いた。大丈夫か?大人しくちゃんと寝てるか?メシはちゃんと食べているのか?』
「鷲崎さん心配してくれてありがとう。まさかわざわざ電話を寄越してくれるとは思ってもみなかったから嬉しい」
『お、そうか。嬉しいか?なんだ照れるじゃねぇか。七海に焼きもちをーーいて‼』
『残念ながら、未知には焼きもちを妬きません。俺にとって未知は可愛い妹も同然。本当に大丈夫?』
「七海さんも鷲崎さんも心配性なんだから。みんなに大事にしてもらってる。致せり尽くせりで、何もしないでただ寝てるだけだから、こんなに楽してていいのかな?何かバチが当たりそうで・・・・」
『陽葵ちゃんが産まれたらそれこそ休んでいる暇なんかないから、今のうち遥琉や橘に甘えてゆっくり休んだらいいんだよ』
「うん、ありがとう七海さん」
『未知、折り入って頼みがある。いいかな?そんなに難しいことじゃない。未知にしか出来ないこと』
「僕にしか出来ないこと?」
『うん、そう』
七海さんがクスリと小さく笑った。
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