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番外編 千ちゃんLOVE

「国井のカミさん、同僚にカミ・・・・えっと・・・・沼尾、なんだけっけ?」 「カミングアウトですよ。甲崎さん」 「お、それだ。ついでに国井との関係も公表したんだよな」 「わざわざ公表しなくても国井さんと乾さんのバカップルぶりは署内でもかなり有名でしたからね。その証拠に誰も驚きませんでした。ツンドラにもいつか春は来るものです」 沼尾さんが淡々と、表情一つ変えずパソコンに向かっていた。 「相変わらず可愛くねぇな」 甲崎さんがため息をつきながら頭をくしゃくしゃと掻いた。 「未知~~‼」 それからほどなくしてチカちゃんが到着した。今流行りのボタニカルの総柄のワンピースに、シアーなVネックのニットカーディガンを羽織ったお洒落な格好で。 指だけじゃなく足の爪先にもネイルを施しサンダルを履いていた。チカちゃんがマトリだということがいまだに信じられない。 「チカちゃんお久し振りです。すごく素敵です」 「あら、そう?ハルくんの奥さんに褒められるなんて。恥ずかしいわ。これでも派手にならないように一応気を遣ってるのよ」 自分を隠さず、これからは一人の女性として生きると決心したチカちゃん。その表情はとても明るかった。 「菱沼組の姐さんがクスリを隠し持っている。アタシと彼のところにタレコミはあったのよ。でもね、そんなのガセネタに決まってる。未知は千里の妹だもの。これは裏に何かあるんじゃないか、誰かが千里と未知をハメようと画策しているんじゃないかって。秘密裏に調べていたのよ」 そこで一旦言葉を止めると、チラッと甲崎さんと沼尾さんを見た。

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