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番外編 千ちゃんLOVE
「根岸たちは?甲崎たちもいるんだろう?」
「酒盛りしてる」
「あ?こんな真っ昼間からか。甲崎たちは仕事中だろう」
「うん。まぁ、そうなんだけど」
「たく、困ったもんだな」
「新婚旅行の話しで盛り上がっていたよ。惣一郎さんと和江さん、あと祖父ちゃんの5人で土湯温泉の奥にある秘湯の湯に行くみたい」
「それじゃあ、新婚旅行じゃなくて、慰安旅行だろう」
「うん。柚原さんも遥琉さんと同じことを言ってた。敬老会のって余計な一言を言っちゃって一瞬気まずくなったけど」
「年寄り扱いされるのがみんな嫌いだからな」
彼とそんな他愛もない会話をしていたら着信音が鳴った。遼成さんからだ。きっと。
「邪魔すると悪いから、部屋に戻ってるね」
「あぁ」
そぉーと書斎をあとにした。
「あっ、そうだ未知」
ドアを閉めようとしたら呼び止められた。
「あとでギュッと抱き締めたい」
「うん。分かった」
「あとキスも」
「うん」
「あと」
え?まだあるの?
「未知、愛してるよ」
にっこりと微笑んで手を振られた。
「遥琉さんったら、もう」
恥ずかしくて彼を直視することが出来なかった。
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