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番外編 千ちゃんLOVE

まさか名指しされるとは思わなかったのだろう。柚原さんが「俺か?」驚いていたけど、状況が状況だけに一太くんを急いで連れてい行ってくれた。 「邪魔をするなら公務執行妨害でしょっぴくぞ」 凄みをきかせた怒声がここまで聞こえてきた。 「お前らに言う必要はない。そこをどけ!」 「何があっても通すわけにはいかねぇんだよ。礼状を出しやがれ!」 「うるせーな。邪魔だと言ってんだろう」 若い衆と押し問答になっているみたいだった。 橘さんと松尾さん大丈夫かな?心配でそわそわしていたら、 「未知、お茶でも飲もうか?そのうち鬼よりもこわ~~い凄腕の仲間が来るから。ほらハルくんも休憩するよ」 「あのなチカ」 促されて広間に行くと、度会さんと紫さんが緊迫した状況にも関わらずお茶を飲んで談笑していた。 「遥琉さん、鬼よりも怖い凄腕のマトリって」 「マトリの何がすごいって、組織としての強固な一体感だ。東京で大型事件が発生すれば、電話一本で全国から捜査員を集結させるなんぞ日常茶飯事だ。未知をハメようとしたあの白い粉、ここ最近になって10代の若者を中心に流行り出した新種の薬物みたいだ。巷の噂じゃあ、それを専門に捜査している特命チームがあるそうだ。おそらくそのメンバーの一人だろう」 「さすが遥琉。詳しいな」 「度会さんほどではありません」 そこへ予想もしていなかった意外な人が姿を現したものだから腰を抜かすくらい驚いた。 でも僕よりもっと驚いていたのはウーさんの方だった。

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