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番外編 千ちゃんLOVE
「なんでまた若先生が?」
「俺も分かんね。いきなし来て面貸せって連れてこられたんだ。ウー元気だったか?」
笑顔で手を振られ、恥ずかしそうに目を伏せながら手を振るウーさん。
「めんこいべ、俺の嫁こ」
「あぁ、めんこいな」
若先生の訛りにも、男性が嫁という普通じゃあり得ないこの状況にも全く動じることなく若先生の背後からスーツ姿の男性が姿を現した。
「若先生、こちらは?」
「俺の因縁の相手だ」
「そういう紹介はないだろう。近畿厚生局 麻薬取締部の長谷部だ」
男性が恭しく頭を下げ右手をすっと差し出した。
「菱沼組組長、卯月遥琉だ」
彼も軽く頭を下げ笑顔で握手に応じた。
「愛妻家で子煩悩な噂はかねがね聞いている。会えて嬉しいよ。斉木とはN地区で知り会った。まぁ、話せば長くなるが聞きたいか?」
「酒のつまみにでも聞かせてくれ。といっても酒は呑めないがな」
「分かったよ」
苦笑いしながら彼と談笑する男性。物腰が柔らかくて謙虚で、チカちゃんのいうように鬼より怖そうには見えないんだけどな。ふとそんなことを思った。
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