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番外編 若先生とウーさん

「9月か10月に一緒に式を挙げたらどうですか?陽葵ちゃんも産まれて4ヶ月くらいに成長している頃ですし、状況も好転しているかも知れませんよ」 大好きな那和さんを見付けた太惺と心望。にこにこと笑いながらはいはいしてきた。 二人を追い掛けてきた橘さんが、若先生にそんなことを提案した。 「根岸さんたちには遥琉の方からから伝えてもらいましょう。オヤジの命令は絶対ですからね」 「断ることが出来ねぇべ」 「えぇ、そうですね」 「陽彩もその頃になったら、もしかしたら退院になってるかも知れない。橘さん、陽彩っていうのは」 「息子さんでしょう」 「おっかねぇな。おめさん地獄耳か?」 「たまたま聞こえてきたただけですよ。会場の手配はこちらでしますので、出席者のリストを大至急お願いしてもいいですか?」 「おぅ、任せておけ」 ウーさんが若先生の袖をツンツンと引っ張った。 「那和、ぼけっとしてないで仕事しろ」 「もう人使いが荒いんだから」 頬っぺを膨らませながら那和さんがウーさんに9月か10月に結婚のお祝いをするよ。根岸さん、伊澤さん熟年カップルと一緒にね。中国語で伝えたあと日本語で話した。 「ナオ、◯✕◇」 ウーさんが那和さんに何かを聞き返していた。 「ウーさん何て?」 「根岸さんには離れて暮らす家族がいる。仲直りさせたいだって」 「一太くらいのお孫さんがいるっては聞いたことがあるけど、言われてみれば根岸さんのこと何も知らない」

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