1343 / 3283
番外編 若先生とウーさん
「9月か10月に一緒に式を挙げたらどうですか?陽葵ちゃんも産まれて4ヶ月くらいに成長している頃ですし、状況も好転しているかも知れませんよ」
大好きな那和さんを見付けた太惺と心望。にこにこと笑いながらはいはいしてきた。
二人を追い掛けてきた橘さんが、若先生にそんなことを提案した。
「根岸さんたちには遥琉の方からから伝えてもらいましょう。オヤジの命令は絶対ですからね」
「断ることが出来ねぇべ」
「えぇ、そうですね」
「陽彩もその頃になったら、もしかしたら退院になってるかも知れない。橘さん、陽彩っていうのは」
「息子さんでしょう」
「おっかねぇな。おめさん地獄耳か?」
「たまたま聞こえてきたただけですよ。会場の手配はこちらでしますので、出席者のリストを大至急お願いしてもいいですか?」
「おぅ、任せておけ」
ウーさんが若先生の袖をツンツンと引っ張った。
「那和、ぼけっとしてないで仕事しろ」
「もう人使いが荒いんだから」
頬っぺを膨らませながら那和さんがウーさんに9月か10月に結婚のお祝いをするよ。根岸さん、伊澤さん熟年カップルと一緒にね。中国語で伝えたあと日本語で話した。
「ナオ、◯✕◇」
ウーさんが那和さんに何かを聞き返していた。
「ウーさん何て?」
「根岸さんには離れて暮らす家族がいる。仲直りさせたいだって」
「一太くらいのお孫さんがいるっては聞いたことがあるけど、言われてみれば根岸さんのこと何も知らない」
ともだちにシェアしよう!