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いつかこの想いが届きますように
『一太を連れていこうとした男が気になるな』
「鷲崎、弓削の様子はどうだ?」
『禁断症状がまだ続いている。大人しくテレビを見ているかと思ったら急に暴れて頭を壁に何度も打ち付けたり、ハサミを振り回したり、あと自分の手首に噛み付いたりするから、しょうがねぇから、見張りを付けて手首を縛り拘束している』
「そうか。大変な役回りを押し付けてすまない」
『気にすんな。困ったときはお互い様だ』
そこへ一太がひょっこり現れた。
「ぼくのことよんだ?あ、ゆうくんパパだ!わしざきさんも、りょうせいさんもみんないる!」
モニターを興味津々に覗き込むと、歓声を上げた。その声に反応した遥香まで駆け付けてきたものだから、打合せところではなくなってしまった。
『一太、おじちゃん、たいくんに会いたいな』
「うん。わかった!ちょっとまってて」
鷲崎さんに頼まれ一太が廊下に飛び出した。5分も掛からず太惺を抱っこして戻ってきた。
「たいくん、おじちゃんにバイバイ出来るか?」
彼が体を支え膝の上で立っちさせると、笑顔を振り撒きながら手を振りはじめた。
『たいくん、鷲崎のおじちゃんだよ。たいくんがおっきくなって鷲崎組を継ぐまでおじちゃんとななちゃん頑張るからな』
鷲崎さんの目が潤み、下がりっぱなしになった。
「ここちゃんのこと忘れてませんか?」
心望を背中におんぶした橘さんが入ってきた。
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