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番外編 ハルちゃんと奏音くん
「7時か。チカと国井が林代議士の自宅や事務所など関係先に一斉に踏み込む時間だな」
彼がスマホを操作しながら地竜さんに話し掛けた。
サイレンの音が夜通し聞こえていたみたいで。
彼と地竜さんは一睡もしていない。
「まさか夜明けのカフェオレをお前と一緒に飲む日が来ようとはな」
「それは俺の台詞だ」
二人とも眠たそうに欠伸をしながらも、仲良くぬるめのカフェオレを口に運んでいた。
「オヤジ」
柚原さんが居間に入ってきてテレビのスイッチを入れた。
「N総合病院でボヤ騒ぎがあった。患者として潜り込んでいた若い衆の説明によると、どうやら地検の特捜部が林代議士に事情聴取を行うために踏み込んだらしい。ベットはもぬけの殻でゴミ箱が燃えていたそうだ」
チャンネルを回すとちょうどそのニュースが流れていた。
「おおかた梶山と上田の仕業だろう」
「証拠をことごとく消すためなら手段は選ばない。とんだ悪党だな。ま、俺も人のことは言えないがな」
地竜さんがくすっと自嘲した。
「俺もだ地竜。大切な家族や仲間を守れないようならとうの昔にヤクザなんて止めている」
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