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番外編ハルちゃんと奏音くん

チカちゃんと国井さんのことが気掛かりで、ソワソワしてじっとしていれず、あたりをうろうろしていたら、 「連絡がないということは二人とも無事だってことだ。躓いて転んだらそれこそ大変だ。頼むから大人しく座っていてくれ」 座布団を近くに手繰り寄せるとぽんぽんと軽く叩いた。 一太と奏音くんは地竜さんに頼まれた千羽鶴を彼に折り方を教えてもらいながら四苦八苦しながら頑張って折っていた。 その様子を興味津々に眺めていた紗智さんと那和さん、遠巻きに見ていたフーさんとウーさんも途中から混ざりとても賑やかだ。 「ぱぱたん、たいくんとここちゃんのめんどうみて」 遥香は早々に飽きて折り紙の裏に鉛筆で絵を描いていた。それを邪魔するかのように太惺と心望がテーブルに掴まり立ちし、お手手を伸ばしちょうだいと言わんばかりに両手でテーブルをバンバンと叩いていた。 遥香に呼ばれた柚原さんがすぐに飛んできてくれた。 「そろそろ地竜さんの記者会見がはじまりますよ」 橘さんがパソコンをテーブルの上に置いた。 「髪の色を変えても、わざと野暮ったい黒縁の眼鏡を掛けても、地竜だって分かる人にはすぐに分かると思うんだが・・・」 「誰もそこまでは見てませんよ」 「そうか」 彼が腕を前で組んだ。 『日本の皆さん初めまして。私は周(ヂョウ)思齐(スーチー)です。ユエディン(约定)は約束の意味』わざと変なイントネーションで地竜さんがゆっくりと話し始めた。

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