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番外編 ハルちゃんと奏音くん

「大安場史跡公園へは小学校の遠足で行くかも知れませんね」 「昔のえら~~い人のお墓だ」 「のんのしゃま?」 「えぇそうですよ」 子どもたちはままたんとぱぱたんの膝にそれぞれちょこんと座りスマホの画面を興味津々に覗き込んでいた。 「ゴールデンウィークにみんなで遊びに行きましょうね。紙漉き体験やいろんなイベントが催されるみたいですし」 大喜びする子どもたちの側で奏音くんは淋しそうな顔を浮かべていた。 「そんな顔すんな。奏音も連れていく」 「ほんと?」 「ぱぱたんとままたんが嘘付いたときあるか?」 ぶんぶんと首を横に振る奏音くん。 「大人の事情ってヤツで遠出はちょっと無理だが、近場ならどこだって連れて行ってやる」 柚原さんに頭を撫でてもらいようやく奏音くんに笑顔が戻った。 ゴールデンウィークどこに遊びに行く? かなた、カルチャーパークに行きたい。 ハルちゃん、流し素麺したい! 妙に噛み合わない子どもたちの会話を橘さんと柚原さんがにっこりと優しく微笑みながら見つめていた。 和気あいあいとした雰囲気の居間の隣の広間では彼と度会さんが膝を寄せ合い真剣な顔付きで何やら話し込んでいた。 「遥琉さん、何かあったの?」 おっかなびっくり声を掛けた。 「根岸の息子を探すのに本部から手配書を回してもらったんだ。ついさっき鷲崎から連絡があって、栃木県内のある温泉町で根岸の息子によく似た男がコンビニエンスストアの防犯カメラに写っていたそうだ」 「奏音くんのお父さんが見付かって良かった」 「いやそれがな・・・・・」 言葉を濁すと、ちらちらと辺りを伺い、奏音くんがいないことを確認してから「女連れだった」小声で教えてくれた。

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