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番外編 へんなおじちゃんの正体は……
「根岸の息子はとんでもない野郎かもしれない」
鞠家さんの一言に奏音くんの肩がびくっと震えた。
「ガキの前で親の話しは禁句だ。鞠家、こっち来い」
彼の目付きが変わり声色もガラリと変わった。
子どもたちを怖がらせてどうするんですか。たく、あなたという人は。橘さんが苦笑いしていた。
昼御飯を食べ損ねた鞠家さんを彼と橘さんが台所に連れていった。
「紗智さんは行かないの?」
寂しそうにぽつんと立ち尽くす紗智さんをほっとけなくて思わず声を掛けた。
「うん。高行さんとバーバの邪魔になるから」
「そんなことないよ。マーと一緒に行こう。ね?」
なおも頑なに首を横に振る紗智さんの肩に手をそっと置いた。
「マーが一緒なら。分かった」
ようやく紗智さんにいつもの明るい笑顔が戻った。
鞠家さんの話しだと、千里さんが昇龍会の傘下の組全部に根岸さんの息子さんを大至急捜すように大号令を出したみたいだった。
それと、根岸の息子さんが中学校を卒業し家を出てから17年。その間どこで何をしてきたか、奏音くんのお母さんのことも含め調べてくれたみたいで、その結果とんでもないことが分かった。
「至急根岸を呼んで話をしなければ。にしても可哀相なのは奏音だ」
鞠家さんから根岸さんの息子さんに関するデータが保存されているUSBメモリを受け取った彼。同じ子どもを持つ親としてその心中はとても複雑だった。
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