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番外編キラキラの笑顔

お腹が張って痛くて動くのがしんどいから太惺と心望とお留守番をしていようかなと思っていたら、 「たまには日光浴をしないとストレスが溜まる一方だぞ。もし破水してもすぐに病院に行けるよう入院セットのバックをトランクに入れておけば大丈夫だ。念のためバスタオルを多めに持っていけばなんとかなる」 そんなことを言われあれよこれよという間に車に乗せられていた。 橘さんと亜優さんとウーさんが側にいてくれるから心強い。安心して子どもたちを見ていられる。 「ウーさんもお使いに行きますか?」 ベンチの後ろに、それこそ反り立つ壁のように微動だにせず立つウーさんに橘さんが声を掛けると、 「マーノソバ」 首を横に振った。 「たまには息抜きも必要なのに」 言葉が通じないのがもどかしい。 「ままたん、ハルちゃんもおなかすいた」 メリーゴーランドから遥香が戻ってきた。 「少し早いですが、お兄ちゃんたちが帰ってきたらお昼にしましょうか?」 「やったー!!」 飛び上がるくらい大喜びしていた。 ウーさんが何かに気付き橘さんの肩を軽く叩き空を指差した。 「ままたん、おっきなふうせんだよ」 「あれは気球です。なんでまたこんな場所に……それにかなりの低空飛行ですね」 心配そうに眉をひそめ、 「未知さん、嫌な予感がします。遥琉のところに移動しましょう」 すっと立ち上がった。

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