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番外編キラキラの笑顔
「未知、気になるのは分かるが食べれるときにしっかり食べておかないと」
「うん、ありがとう遥琉さん」
子どもたちがママにウィンナーあげる!ひまちゃんもいっぱいたべるんだよ!そう言っておかずをお裾分けしてくれた。
「あの気球10時ちょうどに上空に現れたみたいですよ」
スマホを見ながら橘さんが彼に声を掛けた。
「もしかして狙いは地竜さんだったのかも」
「どういうことだ?」
「地竜さんが籍を置いているNPOに県産米を寄付するとかで、その贈呈式が10時に予定されていたみたいです。でも当日になって午後1時に急遽変更されたみたいです」
「そうか」
彼の表情がどんどん険しくなっていった。
田んぼに不時着しようと低空飛行を続けていた気球が突然炎に包まれ、そのまま墜落したとヤスさんから連絡が入ったのはそれから10分後の事だった。
ヤスさんら若い衆が墜落する寸前に田んぼに飛び下りる人物を目撃し追い掛けようとしたら路肩に停車していた黒塗りの車が突然走り出し、猛スピードでヤスさんらに突っ込んで行ったみたいだった。
「ヤスさんたち、若い衆のみんなは大丈夫なの?」
「ヤスの話しだと風のように現れた別の車が黒塗りの車に体当りしてヤスらを守ってくれたらしい」
「良かった。みんな無事で……」
ほっとし胸を撫で下ろした。
「あの気球は磐梯高原で行われていたバルーンフェスティバルの会場から忽然と消えたものだ。事故で2時間以上足止めをされていなかったら間違いなく死んでいた」
颯爽とスーツ姿で現れたのは地竜さんだった。
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