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番外編 キラキラの笑顔

消防車や救急車のサイレンの音があちらこちらから聞こえていた。安全確認のためアトラクションが一時的に休止したけど、すぐに再開され園内に賑わいが戻った。 もっと遊びたいと駄々を捏ねる子どもたちを宥めながら帰路についた。 「ねぇパパ」 一太が何かに気付き急に立ち止まった。震える手ですがりつくように彼の袖をぎゅっと掴んだ。 「どこもかしこもお巡りばっかだな。パパがいるから大丈夫だ」 「ままたんやぱぱたんもいるし、ウーもいる」 柚原さんが腰を屈め一太の頭を優しく撫でてくれた。 「見世物じゃないぞ。じろじろ見るな」 鞠家さんとヤスさんがすぐに気付いてくれて。駆け寄ってくれた。 「姐さん、浅井の部下だった刑事が何人もいる。何を言われても相手にしないように」 蜂谷さんもベビーカーの太惺と心望を守るように前に立ってくれた。 「イチタ」 ウーさんがすっと前に出ると、手を伸ばし一太をひょいと片手で抱き上げてくれた。 地竜さんは、一太や遥香。それに奏音くんからもおかずとおにぎりを分けてもらい食べ終わると「まずい。遅刻する」と言って慌ただしく直売所に向かった。護衛も付けないでひとりで大丈夫なのかな?心配していたら、ウーさんが一般客に紛れ腕の立つSPがふたりいる。柚原さんを通じて教えてくれた。

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